残菊物語(溝口健二)を見る
溝口健二の映画を見るのは4作目。
歌舞伎役者尾上菊之助と身分違いのお徳の恋物語。
古いフイルムだけあって画面に雨が降るのはしかたない。
しかし、溝口の計算され尽くした構成と展開に見入ってしまう。
今回、特に気になったのは、効果音として使われている
「町の物売りの声」「お囃子」「梟の鳴き声」「寒修行の太鼓の音」
など今では聞くことがなくなった音のことである。
寒修行の太鼓とは、日蓮宗の団扇太鼓のことで
幼いころ、寒の時期の夜半に聞こえる太鼓の音に怯えたことを思い出す。
幼年期は神戸の街中に住んでいたが、
隣の屋敷の松の木に梟が飛んできて夜半になると鳴き
これまた、不安な気持ちになった。
いずれにせよ、「団扇太鼓の音」や「梟の声」は映画の中でも
人物の不安定な不安な心理を代弁していたように思う。
これらの効果音が日常にまだ存在していたのは
昭和30年代中ごろくらいまでではなかろうか。
この溝口映画もまた、
ストーリー、画面ともに美しい映画であった。
歌舞伎役者尾上菊之助と身分違いのお徳の恋物語。
古いフイルムだけあって画面に雨が降るのはしかたない。
しかし、溝口の計算され尽くした構成と展開に見入ってしまう。
今回、特に気になったのは、効果音として使われている
「町の物売りの声」「お囃子」「梟の鳴き声」「寒修行の太鼓の音」
など今では聞くことがなくなった音のことである。
寒修行の太鼓とは、日蓮宗の団扇太鼓のことで
幼いころ、寒の時期の夜半に聞こえる太鼓の音に怯えたことを思い出す。
幼年期は神戸の街中に住んでいたが、
隣の屋敷の松の木に梟が飛んできて夜半になると鳴き
これまた、不安な気持ちになった。
いずれにせよ、「団扇太鼓の音」や「梟の声」は映画の中でも
人物の不安定な不安な心理を代弁していたように思う。
これらの効果音が日常にまだ存在していたのは
昭和30年代中ごろくらいまでではなかろうか。
この溝口映画もまた、
ストーリー、画面ともに美しい映画であった。
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