ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質(ナシーム・ニコラス・タレブ)
これは経済書なのか哲学書なのか数学書なのか、はたまた物語なのか。
なかなか読むのに骨の折れる(結局上下2巻で1ヵ月もかかってしまった)本だが、なるほどと思うところがある。
「ブラックスワン」とは、月並の国でない果ての国で現れるとんでもない事象のことのようだ。
我々は並の国に慣れてしまって、なおかつ、起こるべきことの予想をベルカーブ(いわゆる正規分布)によって予測するのが科学的であるという、妄想(タレブにいわせれば)に取りつかれている。
しかし、我々の生きる世界は、ベルカーブで表すことができるようなものではなく、マンデルブロのフラクタル、ランダム性の世界なのだ。
また、ほとんどの事象は非線形であるのに、我々は線形性でものを考えがちである。非線形の一部をとらまえて線形性を見たりする。
ブラックスワンはいいブラックスワンと悪いブラックスワンがある。仕事場でいうなら、映画、出版、科学的研究、ベンチャーキャピタルなどは、ブラックスワンに出くわしても、損失は少ない。逆に、軍隊や災害保険、国土安全保障なんかは、ダウンサイドの方向のほうが大きい。銀行の貸付でも、思いもできないことが起こればそれは悪いことであることが大きい。
この本は、本当に読むのに難儀する。しかし、非線形に、マンデルブロ的に読んでみると得るものは大きい。
ナシーム・ニコラス・タレブの出身は、戦争の地レバノンであり、しばらくはトレーダーをやっていた。だから、ブラックスワンに対する方法が、彼の言う実務的に身について、この本ができたのではないかと思う。
彼は、ブラックスワンに対処するには、どう考えるかでなく、知識をどう行動に移すとか、どんな知識に価値があるかといったきまりごとをもっていると対処しやすいと言う。
人生も、予定に合わせようと走り回るのでなく優雅で美しい所作の価値を認めるといい。
うーん、この本は人生論の本でもあるようだ。
なかなか読むのに骨の折れる(結局上下2巻で1ヵ月もかかってしまった)本だが、なるほどと思うところがある。
「ブラックスワン」とは、月並の国でない果ての国で現れるとんでもない事象のことのようだ。
我々は並の国に慣れてしまって、なおかつ、起こるべきことの予想をベルカーブ(いわゆる正規分布)によって予測するのが科学的であるという、妄想(タレブにいわせれば)に取りつかれている。
しかし、我々の生きる世界は、ベルカーブで表すことができるようなものではなく、マンデルブロのフラクタル、ランダム性の世界なのだ。
また、ほとんどの事象は非線形であるのに、我々は線形性でものを考えがちである。非線形の一部をとらまえて線形性を見たりする。
ブラックスワンはいいブラックスワンと悪いブラックスワンがある。仕事場でいうなら、映画、出版、科学的研究、ベンチャーキャピタルなどは、ブラックスワンに出くわしても、損失は少ない。逆に、軍隊や災害保険、国土安全保障なんかは、ダウンサイドの方向のほうが大きい。銀行の貸付でも、思いもできないことが起こればそれは悪いことであることが大きい。
この本は、本当に読むのに難儀する。しかし、非線形に、マンデルブロ的に読んでみると得るものは大きい。
ナシーム・ニコラス・タレブの出身は、戦争の地レバノンであり、しばらくはトレーダーをやっていた。だから、ブラックスワンに対する方法が、彼の言う実務的に身について、この本ができたのではないかと思う。
彼は、ブラックスワンに対処するには、どう考えるかでなく、知識をどう行動に移すとか、どんな知識に価値があるかといったきまりごとをもっていると対処しやすいと言う。
人生も、予定に合わせようと走り回るのでなく優雅で美しい所作の価値を認めるといい。
うーん、この本は人生論の本でもあるようだ。
この記事へのコメント