青木繫「海の幸」が描かれた家 布良海岸 小谷家 (2022 相模・安房 黒潮紀行)
今回の旅の目的地の1つに布良海岸があった。
それは、詩人高田敏子の「布良海岸」の土地を訪ねるためであった。
事前に調べていると、青木繁が「海の幸」を描いたのも布良の地であることがわかった。
布良の小谷家に滞在して描いたという。
しかし、小谷家の開館日は土・日曜らしく、訪れたのは平日だったので外観だけでも見ようと思っていた。
狭い道を布良の集落に入ってすぐのところに、案内板と小さな駐車場がある。

すぐ下に、なぜか懐かしい感じがする平屋の大きな家屋が見える。

せっかくなので、周りだけでも見せていただこうと庭のところまで歩いていくと、そばの新宅から男性が出てこられて、よかったらご案内しますと言われたので、喜んでお願いすることにした。

この方はこの小谷家7代目で、もともと両親が住まわれていたこの家屋を、記念館として保存し公開されている。
玄関から入るとすぐに仏間になっている。玄関に仏壇は珍しいと思ったが、実は神棚が中央あるので、漁に出るときと、無事帰ってきてから、この地の地神「布良崎神社」すなわち祖先に安全感謝を拝するための部屋ではないかと勝手に解釈したりする。

この部屋の隣が、青木繁が明治37年の夏に友人2人、恋人福田たねとともに40日間滞在し、近代洋画の名作「海の幸」を描いた部屋である。

ちょうど夏の日差しが、暗い室内と強いコントラストを作り、青木繁も同じような光を見たのではないかと思いにふける。

小谷さんの説明によると、青木繁はそのときの戸主小谷喜禄から、阿由戸(布良)に伝わる神話や魚の名前を教わり、「海の幸」のインスピレーションの多くを得たのではないかと。
「日本重要水産動植物の図」という、今でいう図鑑のような詳細な図版(写真下に見える)も残されており、これに記された魚名が青木繁が友人に出した手紙に残っている。

偶然、立ち寄っただけであったが、青木繁の短い生涯の一番輝いた時期を過ごしたころのことを、小谷さんに多く語っていただいた。

そして、私がこの布良海岸に来ることになった訳をお話しすると、わざわざ、「青木繁記念碑」の建っている布良海岸まで車でご案内いただいた。
美しく晴れて、遠く大島や利島まで見える。

別れ際に「旅先では、いつもその土地の神社にお参りするんですよ。そうすると何かいいことがある気がします。今回もそのご縁かもしれません。」というと、小谷さんは笑っておられた。いい旅の思い出となった。
それは、詩人高田敏子の「布良海岸」の土地を訪ねるためであった。
事前に調べていると、青木繁が「海の幸」を描いたのも布良の地であることがわかった。
布良の小谷家に滞在して描いたという。
しかし、小谷家の開館日は土・日曜らしく、訪れたのは平日だったので外観だけでも見ようと思っていた。
狭い道を布良の集落に入ってすぐのところに、案内板と小さな駐車場がある。
すぐ下に、なぜか懐かしい感じがする平屋の大きな家屋が見える。
せっかくなので、周りだけでも見せていただこうと庭のところまで歩いていくと、そばの新宅から男性が出てこられて、よかったらご案内しますと言われたので、喜んでお願いすることにした。
この方はこの小谷家7代目で、もともと両親が住まわれていたこの家屋を、記念館として保存し公開されている。
玄関から入るとすぐに仏間になっている。玄関に仏壇は珍しいと思ったが、実は神棚が中央あるので、漁に出るときと、無事帰ってきてから、この地の地神「布良崎神社」すなわち祖先に安全感謝を拝するための部屋ではないかと勝手に解釈したりする。
この部屋の隣が、青木繁が明治37年の夏に友人2人、恋人福田たねとともに40日間滞在し、近代洋画の名作「海の幸」を描いた部屋である。
ちょうど夏の日差しが、暗い室内と強いコントラストを作り、青木繁も同じような光を見たのではないかと思いにふける。
小谷さんの説明によると、青木繁はそのときの戸主小谷喜禄から、阿由戸(布良)に伝わる神話や魚の名前を教わり、「海の幸」のインスピレーションの多くを得たのではないかと。
「日本重要水産動植物の図」という、今でいう図鑑のような詳細な図版(写真下に見える)も残されており、これに記された魚名が青木繁が友人に出した手紙に残っている。
偶然、立ち寄っただけであったが、青木繁の短い生涯の一番輝いた時期を過ごしたころのことを、小谷さんに多く語っていただいた。
そして、私がこの布良海岸に来ることになった訳をお話しすると、わざわざ、「青木繁記念碑」の建っている布良海岸まで車でご案内いただいた。
美しく晴れて、遠く大島や利島まで見える。
別れ際に「旅先では、いつもその土地の神社にお参りするんですよ。そうすると何かいいことがある気がします。今回もそのご縁かもしれません。」というと、小谷さんは笑っておられた。いい旅の思い出となった。
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