陸軍伊良湖試験場 外浜観測所(渥美半島の戦争遺跡5)(2024 伊良湖岬の旅)

小中山から発射された砲弾が伊良湖岬から先の太平洋に着弾するのを観測していたのが外浜観測所である。
田原市教育委員会の資料によると、「日出園地を降り切った海岸にある」と書いてある。グーグルマップで探索してみるがどうもよくわからない。日出海岸を散歩していた地元の人に聞いてもよくわからなかった。

日出海岸には日出の石門という海蝕洞窟があり名所となっている。
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これがその洞窟だが朝日がここから登るのが見えるというのは、1年のうちでも特定の日なのだろう。
日の出石門05.JPG

日出は6時10分だったので早起きして見に行ったが全く違う方向から日が昇る。海岸はカップルのバラダイスになっていて、何組ものカップルが砂浜に座って日の出を待っていて、朝日を写すのにカメラを向けるのも躊躇してしまう。
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今日の予定は神島の監的(カンテキ)に行くつもりだったが、強風のため渡し舟が欠航していたので、もう一度外浜観測所を探索してみることにした。
神島渡船乗り場.JPG


大正9年陸軍測地部の地図を見ると、日の出石門の西に140m三角点山から通信線が引かれて、小さな建物が記されている。多分これが外浜観測所なんだろう。140m三角点山は尖峰観測所で伊良湖岬の山頂が小山観測所だと思われる。
大正9陸軍測地部5万分の1地形図伊良子岬.jpg

ヒントは「日出園地を降り切った海岸」である。石門の岬の反対側の海岸にあると睨んで、伊良湖水道機雷封鎖所跡から荒れた山道を下ってみる。海岸に出ると、目の前にレンガの廃墟が現れた。思わず一人で 「おぉ♪(ノ)’∀`(ヾ)」 と言ってしまう。
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なんという美しい廃墟なんだろう。誰もいない岩礁に建つ、レンガの廃墟
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それも戦いの廃墟
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波浪にさらされて、レンガの目地も瘦せ、天井も落ちてしまっている。砲弾の着弾を観測していた時代を思い浮かべるのと同時に、その後の年月の重なりを感じないわけにはいられない。

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観測所内部の床のモルタルはまだきれいに残っている。ここに兵士が立って
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この観測窓から双眼鏡や六分儀なんかで、弾道や着弾位置を観測していたのだ。
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いまは、恋路ヶ浜と伊良湖岬ののどかな風景が見える。あの雲のあたりを砲弾が飛んでいたのか?
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やがて、この構造物も波浪に晒され砕け、その由来を語る人もなくなり、微塵となって消えていくのだ。
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しばしの時間旅行を満喫して、その場を立ち去ることにした。
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